2011年12月29日木曜日

疾走の年



なんとまあ色んなことのあった1年だろう。



あんな悲しみが待ち受けていたなんて知る由もなかった

年の始まり。

8ヶ月でこんなにたくさんの宝物をもらえるなんて予想も

しなかった4月の終わり。



麓のおかげで会えなかったはずの人と出会い、できなかった

はずの仕事をして、過ごせなかったはずの息子との濃い時間を

過ごし、家族で驚くほどの団結力を見せた。



歩き出し、走って走って走って。

ようやくほっと一息。



ひとつの出来事をどう捉えるかで人生は変わる。

そのことを身を以て感じた年でした。



こどもを失うと、離ればなれになってしまう夫婦が多い。

そんなことを書いてある本もありました。その気持ちも

分かるくらい、立ち直るには相当の「立とうとする力」と

「支える力」が必要で。どん底にいた私をここまで

引き上げてくれた家族には、本当に感謝しています。



優しく話に耳を傾けてくれた友人にも。



ふう、今年もあと少し。大好きなこの歌でも聴いて

リラックス。





cherry Oh Baby - The Rolling Stones



2011年12月23日金曜日

降る、おくりもの、胸に抱く



今日はなんだか不思議な日で

普段は自転車で会社へ行くのに、なんとなくバスに乗った。



そして半年間ずっと通勤用のリュックにしまい込んでいた、

麓の母子手帳を開いた。



いままで自分の心と向き合うのに精一杯で、ちゃんと見ていなかった

麓の記録。ページを捲ると、そこには初めて見た麓の「足跡」があった。



退院するときに、足形をとっていたらしい。



その小さな、でもしっかりと生きていた足跡を見たら

涙が出て、なんだかとても大切な贈り物をもらったような気になった。



それから家に着いてポストを覗くと、長男を同じ時期に出産した

友人からの贈り物が届いていた。彼女の好きな本とクリスマスカード。



カードには「去年の今頃 まだお腹にいた麓君のことが思われます。

夢のようです。」と描いてあった。



私はまだ涙ぐんで、カードを家から一番空が綺麗に見える場所に置いた。



彼女の抱える記憶と想いも知っているからこそ、本当に心に響く

メッセージ。



つながっている、どこかとどこかで。



ぜんぶに意味がある。

麓が生きたこと。麓が死んだこと。



今日も本当に特別な一日。

手紙を書きたい人がいる。

思いを伝えたい相手がいる。

それが、しあわせ。



2011年12月19日月曜日

罪な○○



先日Yと歩きながら、ふと思いついた問い。



「○○を所有している人とは付き合えない」



そんな問いが頭に浮かんだ理由は、街の中にあまりに

物が溢れていたから。



私が即座に答えたのは、



「育毛剤」



でした。



実際、父親も使っていた記憶があり、若い頃はなんとも

思っていませんでしたが、今はとても不自然なものの

ように感じてしまうのです。



きっと若く健康な人の髪が薄くなるのは大きく分けて

「遺伝」「ストレス」の二つだと思うのですが、遺伝なら

もう受け入れるしか無いし、ストレスが理由なら育毛剤で

どうにかなる問題でもない気が・・・



ブラジルのインディオの本を読んだとき、白髪や薄毛が

ほとんどない、と書いてあった記憶があります。

そして村上春樹の小説「ねじまき鳥クロニクル」には

こんな会話があったことを思い出しました



「禿げることに対する対抗策ってのはないのよ。

禿げる人は禿げるし、禿げるときには禿げるのよ。

そういうのって、止めようがないのよ。

だからさ、よく言うじゃない。

きちんと髪の手入れをしていれば禿げないんだって。

でもそんなの嘘よ。ウソ。

だって新宿駅に行ってその辺に寝ころんでいる浮浪者の

おじさんを見てごらんなさいよ。

禿げている人なんて誰もいないでしょう。

でもあの人たちが毎日毎日クリニークだかサスーンだかの

シャンプーで髪を洗っていると思う?

毎日毎日頭になんとかローションをごしごしと塗り込んで

いると思う?そんなの化粧品メーカーが適当なこと言って

髪の毛の薄い人からお金をむしりとっているだけよ。」



これを読んで、なるほどと納得した遠い記憶があります。



そしてYから返ってきた答えは



「(健康器具の)ジョーバ」



でした。



「育毛剤」と「ジョーバ」。共通点を考えてみたら



・現代社会の「何かに踊らされてる」感

・無駄な抵抗

・根源的な解決策ではない

・自分の生命力に頼っていない



こんな感じでした。この答えの中に私たちふたりの共通の

価値観が見えた気がして面白かったです。



あなたの○○はなんですか?



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2011年12月17日土曜日

古いもの、冬支度



最近家に新しくて、古いものたちが仲間入りしました。



梅干し作りに成功したYが、冬は味噌を作る、ということで

味噌作りに必要な道具を揃えました。

病で倒れるまで、一生使い続けられたら何よりです。




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無造作に滴るような青緑色が気に入っています。

これで大豆をつぶします。




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そして主役は、味噌樽。

我が家と同じ、天然杉の手作りです。うーん、立派!




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はじめから上手くはいかないかもしれませんが、毎年

我が家の味噌の味を追求していけたらいいな、と思います。

食べ物はスーパーからくるわけじゃないってこと、息子に

身を以て教えたいのです。



そしてとてもとても欲しかった、松本民芸家具のラッシチェア。

中古のものを格安で手に入れることができました!




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松本民芸家具は、みづめ桜、樺桜、欅など信州産の木材を

主体に作られています。生のままの木を使って加工すると

「狂い」が出てくる為、少なくとも半年、長いものは3~4年

もの間 自然乾燥をするそうです。

職人達が、手から伝わる感覚と長年の「勘」を頼りに作業し、

製作が分担されても、最終的に仕上げをするのは一人。

そのため一つ一つの商品には製作者の『名』が彫られています。

木肌を塗装で固めてしまう一般的な家具の塗装と異なり、

漆など木が呼吸できるような独自の塗装を行っています。



天然住宅と同じような思想で作られているせいか、我が家に

しっくり馴染んでいます。



何年も何年も使い込んである椅子。譲り受けることが出来たのは

とても幸せです。新しい手仕事の道具を買って、職人を応援する

のもひとつですが、可能であれば古い物を大切に使って、次の

世代にも伝えていきたいです。





2011年12月16日金曜日

2012 spring おとなの装い



たまの休日にお洒落をして出かけると、近所の人に

「あら、今日はおめかししてどこかお出かけですか?」と

聞かれるほど、普段はパジャマのような格好をしている私。


息子とじゃれ合い、夫とはしゃぎまわっている間に、

すっかり服いらずになりました。



それでもシーズン中ついつい買ってしまうお出かけ服。

幸か不幸か、2012 Spring/Summerについては、そんなに

ぐぐっとするコレクションはありませんでした。どれも

とっても大人っぽくて素敵ですが、着られそうにありません。

昨年までのポップな感じはまったく無くて、生地の感じや

色がすごく綺麗。そして春夏にしてはモノトーンが多い

ような気がしました。



そんな中、ちょっと気になったのは・・・

Diane von Furstenbergです。こどもが出来てから

すっかり遠のいてしまったブランド。

やっぱり毎シーズンラップドレスがかわいいです。




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このブログのバナーもそうですが、「紫」に弱いです。

こんなドレス、一体どこに着ていくのだろう・・・と

思いつつ、服を眺めているのが大好き。



これ以上ものは増やしたくないので、眺めるだけを

心がけます。





2011年12月14日水曜日

知識がつくる未来


最近読んだ本で、心に残ったのは
「原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて
(講談社現代新書)
宮台 真司 (著), 飯田 哲也 (著)
でした。

内容はさておき、この本を読んで気付くことが出来たのは、
私自身が100%文系であるがゆえに、こういう科学的な内容を含む
事柄を科学的にではなく、社会学的に、もしくは心理学や哲学、
文化人類学的な切り口から語っている場合に、すごくすんなり
頭に入ってくる、ということです。

著者のひとり、宮台真司さんが社会学者であるせいか、近代
日本の歴史や文化の中に、原発を受け入れた国民性を見出すという
内容がとても面白かったです。

特に印象的だったのは、宮台さんが例にあげていた

フランスのバカロレアという高校卒業時の試験で出された問題

「正義と不正義はたんなる約束事に過ぎないのかを論ぜよ」
「言葉はコミュニケーションの手段に過ぎないのかを論ぜよ」
「環境と弱者救済が矛盾する場合について論ぜよ」

アメリカの学校の国語の授業の内容もしかりですが、思考し、
表現することがとても尊重されていると感じました。日本で
高校卒業時といったら、受験で出されそうな問題をひたすら
詰め込むことがほとんどだと思います。

この本の中では「知識社会の対照」という言葉で表現されて
いましたが、知識を行動に移し、社会に反映させる力が
日本はとても弱く、そこに教育のあり方が関係しているように
感じました。

日本は表面的 一過性 社会を変えるところまでいかない
豊かになろうとして、システムに依存して、罠に嵌まる
ライフスタイルにとどまり、ソーシャルスタイルにならない

その場をしのいで、こなしてしまえば、また次の日常がはじまる日本
社会が変わることを国民全体が前提としているスウェーデン




「知識をいかに使うか」と、「物欲で満たす豊かさとの決別」に

未来がかかっていると改めて感じました。

そのためにはいろいろ知らなくては・・・でもなかなか本を読む

時間が・・・とやきもきしている日々です。



��斜体箇所は本からの引用です



2011年12月13日火曜日

獅子舞う谷へ



今日はYとふたりで紅葉を見に行きました。



紅葉の名所のひとつ、天園の獅子舞。

雲ひとつない空の下、自転車をこいでハイキングコースの

入り口へ。





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沢沿いはかなりの泥濘でしたが、水がとてもきれいで

空気がひんやり。山の浄化作用を感じました。






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赤、黄、橙、空の青。

こんな美しい景色を見ると、寒くなるのも悪くないなと

思います。



ふたりで歩きながらいろんなことを話しました。

山のこと、命のこと、未来のこと・・・違うようでもきっと

つながっている、ぜんぶ。



こんなふうに、ふたりで時を刻み、歳をとっていくんだなあ

とじんわり感じつつ、燃えるようなもみじのなかに熱いものを

感じた1日。




2011年12月11日日曜日

鶴と亀





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これ、なんだ?

こんもりと実った稲穂。






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ひとつは、鶴。

高く羽ばたき、北へ南へ。

美しく優雅な佇まいはやわらかい。





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もうひとつは亀。

どっしり構えて、動かない。

まんまる甲羅はかちかち固い。



どちらも長寿ということで、縁起のいい生き物だけれど、

こうしてふたつ並べてみると、その対照的な見た目のなかに

昔の人の美意識だとか、哲学のような物を感じてしまう。



鋭さと鈍さ。

はやさと遅さ。

線と円。

女らしさと男らしさ。



手仕事で作られた飾り物。

毎日通る階段の壁に飾ってみた。



「ひとつの場所からものを見ず、移り気にならず、大きな心で

均衡を保ち、強く美しく思いを貫いて生きる」



この作品から私なりに受け取ったこと。

神々に豊作を祈った人々からのメッセージ。








2011年12月6日火曜日

夜明け




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友人に誘われ、絵本作家荒井良二さんの新作刊行記念ライブに

行ってきました。



本の名前は「あさになったのでまどをあけますよ」。



初めて見た荒井さんは、気のいいおもしろいおじちゃんでしたが、

ライブの合間のお話を聞いているうちに、とてもとても情が深く

熱い心を持っている、少年のままのひとなんだと分かりました。




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震災後「自分になにができるのか」と深く落ち込んだそうです。

被災地でワークショップを開き、被災者の方と触れ合っている間に

自分の使命は「あさになったら、とりあえずカーテンを開けて

窓を開けてみること」だと思ったそうです。



あさになって窓を開けたら、いつもの景色がひろがっている。

それがどんなに美しく、ありがたいものか。



荒井さんの歌は決して上手くはないのですが、とにかく魂が

こもっていて、途中少し涙ぐんでしまいました。



中でも心に残ったのは、終盤に荒井さんが読んだ詩。





『鮪に鰯』 山之口貘



鮪の刺身を 食いたくなったと

人間みたいなことを 女房が言った

言われてみると ついボクも人間めいて

鮪の刺身を夢みかけるのだが

死んでもよければ 勝手に食えと

ボクは腹立ちまぎれに 言ったのだ

女房はぷいと 横にむいてしまったのだが

亭主も女房も お互いに鮪なのであって

地球の上はみんな 鮪なのだ

鮪は原爆を憎み

水爆には また脅かされて

腹立ちまぎれに 腹立ちまぎれに

腹立ちまぎれに 現代を生きているのだ



ある日ボクは 食膳をのぞいて

ビキニの灰をかぶっていると 女房に言うと

焦げた鰯の その頭をこずいて

火鉢の灰だと つぶやいたのだ




落ち込んでいた荒井さんを勇気づけてくれたのは、荒井さんと

同じ山形出身の歌手、岸洋子さんの「夜明けのうた」だったそうです。



この歌を、ほとんど叫ぶようにして、パンクに、ロックに、

ブルースに歌う荒井さんが印象的でした。

「東北の空」はずっと広がっている。

その美しい光景が目に浮かびました。





岸洋子/夜明けのうた






2011年12月3日土曜日

おうちプロジェクト:ごみのこと



ついに我が家もコンポストをはじめました。



選んだのは、ベランダ de キエーロ。



生ゴミ処理機のなかでも最もシンプルな、土の入った木箱。



設置したいというメールを送ったら、すぐに返事をいただき、

家に届けてくれました。

ブログにも載せていただいてます。



市から助成が出るので、実質かかる費用は2000円弱。

生ゴミは大きい物だと刻んでおく必要がありますが、水切りが

いらないので、とっても楽です。

シャベルで土を掘るのも、なんだか楽しい。

入れておくだけで、いままで捨てていたごみが肥料に変わる

なんて、助かってしまいます。



捨てにいくのが億劫なので、ベランダ型にしました。

あの箱の中で微生物がもにょもにょと活動しているのは

なんとも興味深いです。



日本のごみは1960年代から急増したそうで、1年間に消費される

食品資源約9千万トンのうち2割以上にあたる1900万トンが

廃棄され(2005年度 農林水産省発表)、国民一人あたりに換算すると

アメリカに匹敵するとのこと。



1960年以降、便利にはなったけれど変わってしまった生活様式。

海を埋め立てるということ、いままであまり真剣に考えたことが

なかったけれど、とても人間本意の行動であることに気付かされ

ました。これからもできることから、やっていきます。






2011年12月2日金曜日

寒さを味わう



やっと冬が来た。



待っていたのに、いざ来ると、やっぱり寒いな。



寒くなるとなぜか「あったかい根菜」が食べたくなって



根菜スープやおいものグラタンばかり作っている。





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ぶり大根。野菜スープ。舞茸のオムレツ。ラー油ごはん。

家で魚を食べたのはとてもひさしぶりのような気がした。



わたしひとり、厚着だけど、Yと息子はずっと裸足。





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ずっと裸足でいると、足の裏にもちゃんと感覚が蘇る。

我が家の木の床が、雑巾がけをする前後でどんなに違うか

足の裏が教えてくれる。



そういう感覚を大切にしたいな、と思う。



さあ、今年も暖房を使わず冬を越せるかな。

3月11日がくれた気付き。

なくっても、なんとかなるなら、まずはやってみよう。

寒かったら、太鼓を叩いてみんなで踊ろう。




夜寝る場所があって、家族とごはんを食べられる。

それだけであったかい。

今この瞬間にも、寝る場所のない、十分に食べられない

飲み水が足りない、寒さで凍えている・・・そんな人たちがいる。



小さな灯火を。

腹八分の食べ物を。

ひとつの命を。

そして、たくさんの智慧を。



それがきっと美しい地球を残すことにも繋がる。