2008年9月2日火曜日

単独、回帰、ただ在るもの

2つの季節が巡って9月になった。秋冬シーズン到来だ。
最近たてつづけに山関連の本を何冊か読んだ。



ヨーロッパアルプス3大北壁の冬期単独初登攀に成功した
長谷川恒男の著書と、今なお挑戦を続けるソロクライマー
山野井泰史のドキュメンタリー。



長谷川恒男は真面目で冷たい感じの人だと思っていた。
でも実際は結構剽軽な人で、若い頃は尖っていた印象が
あるものの、様々な場所で開かれた講演の内容は冗談
混じりで「もっとたくさんの人に山を身近なものに感じて
欲しい」という思いに溢れている。



過酷な登攀と同時に、執筆活動や社会活動(講演、ガイド、
カルチャーセンターの講師、ジュニアスクールなど)を
積極的に行っていたことを初めて知った。



死が近づくにつれて、穏やかな自然と厳しい自然の両方を
本当に愛おしく思うようになっていく心の過程がよくわかった。



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生きぬくことは冒険だよ 長谷川恒男著
山に向かいて 長谷川恒男著


一方山野井泰史のドキュメンタリーは、性格の違いもあってか
「多くの人に伝える」というより「とにかく自分の好きなこと
を突き詰める」という内容だった。

いろいろな人が山野井泰史のことを「子どもみたいだ」と
いう。性格が子どもっぽいというよりは、とことん好きなこと
だけを続けられる純粋さを持った貴重な人なのだと思う。

たったひとり、最小限の荷物で攀じる恐怖よりも、山と一体
になる喜びのほうがずっと大きいから、まだまだ挑戦は続く。

「ソロをずっと続けてきて、このごろとみに、子供のころの
感受性が高まっているような気がする。物事に素直に感動できる
し、命あるものをいとおしく思えるし、たとえ相手が自分のことを
嫌っても、そのひとを思いやることができるし...。」
P282より抜粋



歳を重ねるごとに、子供のころの感受性が高まっていくなんて。
ここまで過酷な登攀を続けている人が、今この瞬間も奥多摩の
自然に囲まれて暮らしていると思うと不思議...。
つい最近も7010mの山に行っていたようで、山野井通信の
続きが早く見たいものです。

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ソロ 単独登攀者 山野井泰史 丸山直樹著



二人に共通しているのは、高い山の頂に立つという結果よりも

そのプロセスを重視していること。余計なものをどんどん

削ぎ落としていること。自分が美しいと思う山に登っていること。

山に挑むのではなく、山という動かないけど変化し続ける自然に

回帰していること。



なるべく単純に生きて、自然のサイクルの一環に入っていく
ことができたら...としみじみ思った。





 



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